歯磨き粉を強い味のに変えても、午前11時には気になる

平日午前11時、オープンオフィスのデスク

ドラッグストアで一番強そうな歯磨き粉を選んだのは、去年の春だ。
ミントが強くて、磨いた直後は「これは効く」という感じがした。

でも午前11時には、もう気になる。
朝に磨いてから、まだ3時間も経っていないのに。


オフィスの廊下

最初は「磨き方が足りないのかな」と思った。
電動歯ブラシに変えた。フロスも毎日やるようにした。舌磨きのグッズも買った。ひとつひとつ足していくたびに、「これで大丈夫だろう」と思った。

でも11時になると、また気になる。
会議が続く午前中に、自分の口の中が気になっている。話すたびに、少しだけ意識が口に向く。

「磨き方」だけの問題ではないのかもしれない、と思うようになったのは、しばらく経ってからだ。


口臭の原因の多くは、口腔内の嫌気性菌が産生する揮発性硫黄化合物(VSC)だ。
これらの菌は、舌の表面や歯周ポケットの奥など、酸素が届きにくい場所に棲みついている。歯を磨いても届かない場所で、たんぱく質を分解しながら硫化水素やメチルメルカプタンを生み出し続ける。

歯磨き粉の成分は、こうした菌の活動を一時的に抑えることができる。
でも「一時的」だ。菌そのものが口の中からいなくなるわけではないし、菌バランスが根本から変わるわけでもない。だから、強い歯磨き粉で磨いても、時間が経てばにおいが戻る。

午前11時に気になるのは、そういう仕組みだ。
道具を増やすことと、根本的な環境を変えることは、別の話だった。


道具を増やし続けていた期間は、少し疲れた。
「これを足せば大丈夫になる」という期待と、「また気になった」という落胆が繰り返された。電動歯ブラシもフロスも悪くはないし、それ自体をやめようとは思っていない。でも、それだけでは足りない何かがあると認めるのに時間がかかった。

「磨く」という発想だけでは追いつかない場合、口腔内の菌の状態を変えるアプローチが必要になる。
口の中には善玉菌と悪玉菌がいて、そのバランスが崩れると口臭が強くなりやすい。磨いて取り除くのではなく、棲みつく菌の種類を変えていく方向がある。


歯磨き粉を買い替えるたびに、「今度こそ」と思っていた。
でも午前11時の感覚は変わらなかった。

今は、磨く道具はそのままに、菌バランスを整えるサプリを試している。変化が出るまでに時間がかかるタイプのケアだから、3時間で効果を確かめる性質のものではない。でも続けていると、午前中に口が気になる頻度が、少しずつ変わってきている気がする。

まだ確信はない。でも、方向感は掴めてきた。