職場の新入社員が、近くの席を選ばないことに気づいた

午後2時、フリーアドレスのオープンオフィス

フリーアドレスの職場に変わって2年目のことだ。

新入社員が入ってきた。明るい子で、いろんな先輩の近くに座って話しかけていた。コミュニケーション能力が高いと思った。

ただ、自分の近くには来なかった。


昼休み、社内の人の少ない非常階段の踊り場

最初は気にしていなかった。そういう人もいる。たまたまかもしれない。でも3ヶ月経っても、半年経っても、自分の隣のデスクを選ばれることがほとんどなかった。

他の人の隣には座る。自分の隣には来ない。
この差が偶然でないとしたら、理由はなんだろうと考えた。

仕事上の関わりが少ないから? 話しかけにくい雰囲気があるから?
でも正直、一番最初に頭をよぎったのは、においのことだった。


ワキガは「本人だけが気づいていない」という状況が起きやすい。
嗅覚は慣れやすく、自分の体臭には特に慣れる。社内で自分のにおいに気づいた人が、遠回しに距離を置くことがあっても、本人は気づかない。

「気づいていないだけで、ずっと伝わっていた」という状況は、想像より多い。


確かめようと思った。
信頼できる同期に、率直に聞いてみた。「俺、においとかする?」

少し間があってから、「まあ、ちょっと…」という答えが返ってきた。

その「ちょっと」が、おそらく長い間ずっとあったのだと思う。


フリーアドレスの職場で、どこに座っても居心地が良い人間でいたい。
それだけのことだったけど、気づくのにずいぶん時間がかかった。