起き上がれた朝と、そうでない朝の差が、年々広がっている

朝7時15分、カーテンの隙間から朝の白い光が差し込む寝室

良い朝と、悪い朝がある。

良い朝は、アラームより先に目が覚める。体が軽い。起き上がるのに意志の力がいらない。布団から出て、カーテンを開けて、そのまま動き始められる。

悪い朝は、アラームが鳴っても体が動かない。布団が体に張り付いているような重さがある。起き上がるのに「よいしょ」という気合いが要る。起き上がれても、頭の中にもやがかかっている。コーヒーを飲んでも、しばらく霧が晴れない。

どちらの朝も、前夜の睡眠時間はそんなに変わらない。なのに、着地点がこれほど違う。

そしてその差が、年々広がっている気がする。


木製の小さなデスクの上、手帳が開かれている

「悪い朝」が何日か続くと、自分の体のことが少し不安になる。

病気なのかと考えるほどではないけれど、「なんとなく以前より疲れやすくなった」という感覚は確実にある。30代前半のころは、多少寝不足でも午前中には復活できた。でも今は、悪い朝が続くと午後まで引きずる。週末に寝だめをしても、月曜日に完全には戻っていない。

「体力が落ちた」という言葉で片付けてきたけれど、もう少し具体的に何が起きているのかを考えてみると、睡眠の質が関係している可能性が高い。

睡眠には、体の修復・免疫機能の維持・記憶の整理・疲労の回復といった役割がある。特に深い眠り(徐波睡眠)の時間に、成長ホルモンの分泌が増え、細胞の修復が進む。この深い眠りは、年齢とともに量が減っていくことがわかっている。30代、40代と進むにつれ、同じ時間眠っても、深い睡眠の割合が減っていく。

良い朝と悪い朝の差が広がっているとしたら、深い眠りの安定性が落ちてきているサインかもしれない。


「慢性化」というのは、じわじわと進むから気づきにくい。

急に体が変わったなら誰でも気づく。でも、月に1回だった「悪い朝」が、いつの間にか週2回になり、今は週3回になっている。そういう変化は、気づいたときにはすでに「普通」になっていたりする。

「こんなものかな」と思い始めたときが、一番注意が必要なタイミングだと思う。「こんなものかな」は、比較対象を失ったときに出てくる言葉だ。以前の自分の朝と比べたとき、「こんなものじゃなかった」と感じるなら、変化はすでに始まっている。


良い朝が来たとき、体はちゃんと覚えている。

軽い目覚め、すっきりした頭、動き出せる体。それが「普通」だったころを、どこかで知っている。

悪い朝が続くことに慣れてしまわないうちに、「どうしたら良い朝を増やせるか」を考える価値はあると思う。眠りの深さは、ある程度コントロールできるものでもある。体内時計を整えること、眠前の過ごし方を変えること、栄養で睡眠をサポートすること。どれが効くかは人によって違うけれど、「何もしない」よりは何かが変わる可能性がある。

良い朝の数が、また増えていけば、と思っている。